
私の在籍していた会社は、中小企業の中ではそこそこ大きく、社屋が複数ありました。
私のいた部署は、メインの社屋ではなく、離れた場所にあるビルでした。
ビルごとに雰囲気が異なっており、営業のあるメインのビルは比較的綺麗で、内部の風通しも良い印象がありました。
しかし、私の部署があったビルは、昔ながらの建物で、かなりボロボロでした。
ビル内の照明は、なぜか全ての階が暗く、ビルの古さを一層際立たせていました。
また、内部で作っている物の品質を保持するため、窓から光が入らないよう常に遮光をしていました。
ですので、ビルの中にいると太陽光を感じることがありません。
そんな環境ですので、どこか陰湿な雰囲気が漂っています。そのビルにいるだけで、気持ちが暗くなってきます。
しかも、その環境だけならまだしも、私の在籍していた部署の雰囲気が特に、光関係の環境が暗い上、人間関係も劣悪なものでした。
異動が多い部署だったのですが、他の部署から私のいた部署に異動になると、大抵の人が胃を痛めて精神科に通院したり、すぐさま他の部署へ異動願いを出したり、といったことをします。それほどまでに、居心地の悪さを感じる部署でした。
私は辞めたいと思いながらも、休日が充実していたため、割り切って働いていました。しかし、あるとき、辞めたい気持ちがピークに達しました。
それは、度重なる人員削減でした。
かつては、私のいた部署の写真数は数十人、内部で働く委託会社さんを含めるとかなりの大所帯でした。
しかし、数年間の間で何度も人員を削減していきました。
人事異動から始まり、希望退職でじわじわと削減を始めたのです。
私の同期も同じ部署にいたのですが、異動で他の部署に行ってしまいました。
また、仲のよかった先輩も一人、また一人と消えていきます。
異動や退職をした後は、他の部署から私のいた部署へ異動してくる人がいるのですが、いなくなる人数が多いので、新しく人が来ても、どんどん減っていきます。
人員削減は、ある程度大きな会社であれば、珍しいことではありません。
そして、私が辞めたくなった理由は、人員削減そのものではありません。
なぜ、とにかく辞めたくて仕方がない私が異動にならないんだ!ということです。
また、課の人間関係を悪化させるキーマンがいたのですが、その人が異動にならないのも不満でした。
毎回異動があるたびに期待しては、残念がるのを一体何度繰り返したでしょう。
自ら辞めればいいのですが、どこかで次こそ自分が異動できると期待していたので、辞めずにいました。
しかし、待てど暮らせど私は異動になりません。
それが重なり、ある時、待っていても仕方ない。もう辞めてやる!と溜まっていた感情が表出し(他にやりたいこともあったため)、退職しました。
辞めてやる!と思った一番の理由が「期待していた異動に、私だけならない」だなんて、変な理由だと思います。
しかし、実際に辞めるほどの原動力になるほど強いストレスだったのだなあと今思います。