私は以前電気関係のメーカーで営業をしていました。
大学を卒業してすぐに入社をした会社で、自分を含めて20人ほどの新入社員がいました。
私は営業職として2ヵ月間いろいろな研修を受け、その後営業所に配属されました。
そこには多くの先輩の営業マンがいましたが、私の教育担当を任された方はかなりスパルタで自分勝手な方でした。
まず朝は始業時間の1時間前に来てデスクワークを始めていないと怒られました。
その時間には私と先輩を含めて数人しか出社しておらず、先輩は私に自分の仕事を押し付けてテレビを見ているのです。
新人なので分からないことが多く、任された仕事で出来ない部分があると先輩に聞くのですが、その度に「そんなことも分からないのか!」と怒鳴られていました。
また、その先輩以外の方にやり方を聞いても同じように馬鹿にされ、とても辛い時期を過ごしていました。
自分のミスを新人に押し付ける
そんなある日、私がこの会社を辞める原因となる大きな出来事が起こったのです。
それは先輩が自分が担当していた客先に納品する製品を間違えてトラブルになったときに起こりました。
間違えて違う製品を納品してしまったため、先方はかなり怒っており先輩は私を連れて謝罪に行くことにしたのです。
客先に行った時、最初は私と先輩は何度も謝罪をしたのですが相手が「何が原因なのかをしっかりと説明してくれ」と言ってきたのです。
本来はその先輩が工場とのやり取りをミスしたことが今回のトラブルの原因だったのですが、その時先輩の口から出てきた言葉は「この新人が工場とのやり取りを間違えてしまい、今回のような事態に発展してしまいました」というものだったのです。
まさか先輩がミスを私のせいにするとは思っていなかったので本当にびっくりしました。
その後相手の会社の方は私をとても非難して、今後またこういったことがあれば取引をしないと言われました。
会社に帰る間、先輩は悪びれる様子もなくそうすることが当たり前だというような態度で私に接していました。
自分のミスを新人に押し付けるような社員がいるという事に私はとても悲しくなりました。
その事を他の先輩社員に相談しても、新人なのだからそれくらい我慢しろと言う言葉しか返ってきませんでした。
おそらく自分と同じような酷い思いをした新入社員は他にもいたのでしょう。
こうした出来事が起きたことがきっかけで、私はこの会社を辞めたいという気持ちが強くなりました。
その後私はすぐに辞表を提出し、違う会社に転職をしたのでした。